なぜセコカンを受けたのか
現場歴20年以上、独立して建装業を営んで10年以上。正直、施工管理の実務は体で分かっているつもりでした。それでも今回、一級建築施工管理技士の受験に踏み切ったのは、「現場を知る行政書士」という看板を、感覚や経験談だけでなく、国家資格という形でも裏付けておきたかったからです。
過去問を徹底的にやり込み、先日、無事に一次試験の受験を終えました。
受けてみて分かったこと
施工に関しても法規に関しても、「なぜこれが基準・ルールになっているのか」を一つひとつ想像しながら身につけていきました。範囲は膨大でしたが、そのすべてに理由がある。というより、その理由を想像できなければ解けない試験だった、というのが率直な実感です。
実務では「そういうものだから」で済ませていたルールの背景に、それぞれ理由があると気づかされる。それは、現場の作法を法律や基準の言葉に翻訳し直す作業でもありました。
たとえば雨仕舞いは、雨水を建物内部に侵入させないための考え方・仕組み全体を指す言葉です。そして雨押さえは、その雨仕舞いを実現するための具体的な部材・納まりの一つ。屋根と外壁の取り合いなど、どこにどんな順序で、なぜその納まりにするのか。その一つひとつに理由があり、それが正しく受け継がれてきたからこそ、今、社会に実在する建物として立ち、そこに住まう人々を守っています。試験勉強を通じて、その「理由の連なり」を改めて言葉で辿り直すことができました。
これから確かめていきたいこと
正直に書きます。「現場の言葉で話せる行政書士」が、建設業許可を必要とする経営者にとって本当に価値になるのかどうかは、まだ実証できていません。先輩行政書士からは「建設業の社長は自身も技術者だから、現場出身の行政書士を専門家として認めてもらいやすい」という話を聞いたことがありますが、これはあくまで一つの意見です。
ただ、今回の受験で一つ、確かな手応えがありました。施工には、基礎から始まり、躯体、防水、仕上げという順序があり、その順序ひとつひとつに理由があります。順番を飛ばせば、あとで必ずどこかにひずみが出る。
これは、行政の許認可手続きにもまったく同じことが言えます。要件の確認を後回しにして書類収集から始めれば、無駄な書類を集めることになる。経営業務の管理責任者や専任技術者の要件を曖昧にしたまま申請準備を進めれば、後で必ずやり直しが発生する。許認可にも、施工と同じように「飛ばしてはいけない順序」があるのです。
現場で「順序には理由がある」と体で覚えてきたことは、そのまま許認可手続きの組み立て方にも活きている。これが、今回の受験で見えた、行政書士としての実務への最初の接点です。
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